研究室紹介
はじめに
現在、ロボティクス研究室には、教員1名、修士6名、学部生8名が所属しています。
主に、「自律移動ロボット」に関連した研究を行っています。
(自律移動ロボットとは、自分自身で考えながら動くロボットの事です。
本学電気科1年次後期科目の"製作実験"において作成するライントレースロボットも
ロボット自身がラインの位置を"判断"し、ラインから外れないように"動く"事から自律ロボットと言えます。)
移動ロボットの研究では、各自の研究テーマに則してロボットの開発を行います。
これは、ロボットを実際に動作させると、今まで気が付かない様な問題点が見つかる事が多々あるためです。
また、当研究室は、次のような方針を掲げ、大切にしています。
- 1人1つ研究テーマを持つ事
- 自ら研究計画をたて,研究を楽しむ事
- 相手を思いやる気持ちを持つ事
研究内容
前述の通り、当研究室では「自律移動ロボット」に関連した研究を行っています。
その中で取り組んでいる、研究の方向性について紹介します。
ものづくり教育教材の開発
ものづくり教育とは
・ 実習を通して、基礎的な分野から発展的な分野までの幅広い知識を得る事
・ 問題が発生したときの解決能力を向上させる事
を目的として行われる教育の事です。
本学電気工学科では、以下のようなものづくり教育を実施しています。
- 1年次の製作実験
実施内容:PICマイコンを用いたライントレースロボットの製作
目的:ロボットの製作を通して、ものづくりの楽しさや難しさを体感してもらう - 3年次のマイコンゼミ
実施内容:H8マイコンを用いたライントレースロボット等の製作
目的:電子回路、電子部品、プログラムを用いて実習し、4年次の卒業研究に必要な基礎知識を得る
・ 教材 (ロボットを製作するための回路基盤やWEBページ・WIKI等を用いたテキスト等)
・ カリキュラム(電子回路や自己位置推定などの技術)
・ 運用 (技術資産の引継ぎや実施内容の見直し、改善システム等)
以上のような事を主眼にした研究を行っております。
屋外自律移動ロボットの開発
近年、ロボットの技術水準も高まっており、ロボットに対する要求も
決められたとおりにロボットが動く事 |
↓ |
ロボットが周りの環境を認識して、適応して動く事 |
当研究室では、屋外環境でロボットが自律的に移動する事を目標として
・ ロボットの自己位置推定
・ 障害物の認識
・ ナビゲーションの作成
・ 電源システムの構築
・ 別途、必要な技術
以上のような、走行に必要な要素技術を研究テーマにしています。
実験環境としては、本学敷地内を主に使用しています。
また、07年度より実施されている「つくばチャレンジ」を通じて屋外環境でも実験を行います。
ユビキタスRTシステム研究
2007年度に本学の先端工学研究機構においてユビキタスRTシステム研究センターが発足しました。
この研究センターには、当大学の様々な研究室が参加しています。
これは、活動するロボットに焦点を当てて研究をするだけでなく
ロボットが活動する空間に焦点を当てた研究です。
空間にセンサやタグと呼ばれるものを配置することによって
例えば、ロボットに「ジュースを取ってきて」と命令した際に
ジュースが部屋の"どの位置"にあるか、調べる事が出来たり
ロボットは現在いる位置から、ジュースの位置まで"どういうルート"を通ればいいのか分かるようになります。
このように、空間が"賢くなる"事によって、その空間内で動くロボットの可能性を伸ばす事が出来ます。
研究以外の活動
本研究室では、本学の生涯学習センターが主催する各種ロボットセミナーに指導員として参加しております。
ロボットセミナーではライントレースロボットやスパイダーを製作してもらっています。
参加者は小学生から年配の方まで様々です。
ロボットを用いた教育を通して、工学への興味を引き出すことを目的としています。
また、最近は学内だけでなく、付属高校や区の児童会館からも依頼を受けており
活動の成果は大きいものとなってきています。